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リトル・ダッキーのおはなし

『ダッキーの歯磨きライフ』

 リトル・ダッキーはちいさなあひるのおもちゃです。
  あなたのお風呂でいつも歯を磨いています。

「なんだか、ちょっとやりにくいわね」とあなたが言うと、「でも、とりあえ
ず今回だけだから」とダッキーが答えました。

 ダッキーとあなたは、歯を磨くのがとても好きです。

「それにしても、ダッキー。あなた、歯もないのによく歯磨き粉の宣伝引き受
けたわね」
「え、でもマイキーが問題ないって言ったんだもん」
「クチバシでも磨くわけ?」とからかったあなたを、ダッキーはじろっと睨み
ました。

「私のライフスタイルに歯磨きはかかせません。私は、私のライフスタイルを
歯磨きライフスタイルと呼びます。朝起きて歯磨きをします。ブレック・ファ
ーストの後に歯磨きをします。その後、一時間おきに歯磨きをしたとしても、
私は気にするものではありません。歯磨きはエクスタシー!」
  そう言って、二人はそろって歯を磨いています。

「おまえこそたまには歯磨けよ。甘いもんばっか食べてっから虫歯になるんだ
ろ!」とダッキーが言い放つと、あなたもまけずに、
「うっさいお前、くやしかったら虫歯になってみろ、このクチバシ野郎!」と
怒鳴ります。
「なんだとぉ。俺のことは何とでも言っていいけど、クチバシの悪口だけは言
うなぁぁぁ!」

「歯磨きライフスタイルには、優れた歯磨きは欠かせません。やっぱり、愛情
のある歯磨き粉ととうもろこしパンさえあれば、世界をつなぐことも可能です」

 ダッキーが投げた石鹸トレイが、あなたの頬をかすめていきました。
「やったなテメェ!」と、あなたは負けずに手当たり次第につかめるものをダ
ッキーに投げつけました。シャンプーと、リンスが同時に空中に飛び散り、リ
ンス入りシャンプーとなって降り注ぎます。ダッキーが踏んづけた歯磨き粉が、
ブシュッと噴出し、髭剃り中のおっさんのようにあなたの顔に命中しました。
「だいたいなぁ、この歯磨き粉、まずいんだよ!」とあなたが叫ぶと、
「まずいのは知ってるよ!売れれば良いんだよ。そのための宣伝だろ!」とダ
ッキーも負けずに怒鳴り返します。

 そしてあなたとダッキーはこう言いました。
「やっぱり、歯磨きライフスタイルは最高ですね!」