『ダッキーの悩み』
リトル・ダッキーはちいさなあひるのおもちゃです。
今日も湯船に浮かんで気持ち良さそうに泳いでいます。
「いいわね、あんたはいつも気楽で」
あなたが、長湯をしたせいでプルーンのようになった指先でダッキーをつつ
きながら語りかけると、「えー、そんなこともないよ」と、ダッキーは答えま
した。 「どうして?何かストレスに感じるようなことある?」とあなたが聞
くと、ダッキーはおでこを羽根の先でポリポリ掻きながら、こう答えました。
「やっぱり、君がお風呂の中でいっつもおならをすることかな。でっかい泡が
ボコボコと上がってきて、その臭いことといったら…あぶっ」
ダッキーは、言い終わる前に風呂の底に沈められてしまいました。
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